相続人に判断能力がない人がおり、成年後見と相続手続きを同時に行ったケース
相談者のご状況
母が亡くなり相続が発生したが、法定相続人の1人が判断能力がなく、相続手続きを進められないということで相談にいらっしゃいました。
お話を伺うと、娘さんに判断能力がなく、施設にご入居されているとのことでした。
事務所として、相続手続きのサポートと、娘さんの成年後見申立てのサポートをご提案させていただきました。
当事務所のサポート
ご相談にいらっしゃった後に、娘さんがご入居している施設が変わったこともあり、施設の先生(医者)に後見申立てに必要な診断書の発行を申請しました。
施設の先生から診断書を貰うまで、コロナウイルスの影響もあり3ヵ月程時間がかかりました。
通常、相続放棄などが発生した場合、「3ヵ月以内」に申請が必要になりますが、このように後見人の申請が必要になる場合は、後見人が選定されてから3ヵ月以内の申請が必要になります。
今回の場合では相続人が父親(=夫)と娘さん(=判断能力なし)では、相続手続きが発生した時期が変わるので、手続きの期限日も異なるので注意が必要になります。
手続きの流れ
1 成年後見手続き
まず後見申立ての準備と申立てを行います。面接などの審査を通過したら後見登記を行います。
2 成年後見の就任の挨拶
成年後見に修正したら就任のご挨拶に伺います。
3 不在者の財産管理人の権限外行為許可の申立書申請
不在者の財産管理人の権限外行為許可の申請を行い、財産管理を行う権限をいただきます。
4 相続手続きの開始
成年後見の手続きが済んだら相続手続きを開始します。
結果
無事に娘さんの後見相続手続きを行うことができました。
後見人手続きを行ったことで、代理人として相続の財産分割を行うことができ、
スムーズな相続手続きを踏むことができました。
相続人の中に後見人がいる場合のポイントと注意点
遺言書作成
相続人の中に後見人がいる場合、遺言書の作成をお勧めします。
遺言書がないと、法定代理人をたて相続を行うことになるので、時間も費用も紛争化するリスクも増えます。
法定相続人は家族がなることが多いが、このような場合には相続人以外の親族が法定代理人になることをお勧めする
後見人は相続人以外の方にする
成年後見の場合、身内が後見人になるケースがほとんどです。
しかし、相続人に後見人がいる場合は再度、特別代理人を立てる必要があり手続きが増えることになります。
手続きが増えると、比例して費用と時間がかかっていきますので、このような場合は相続人以外の親族にすることをお勧めします。
また後見人をたてると、被後見人の相続財産額は法定相続分を確保する必要があります。
法定相続分のキャッシュを事前に用意しておくと相続手続きをスムーズに進めることができます。
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